EPS-TOPIKに合格してからE-9ビザを手にするまでは、通常3〜6か月ほどかかります。その間に母国の送出機関、韓国の事業主、雇用労働部、法務部が順番に関わり、試験・労働契約・査証発給認定書が決められた順序でつながっていくからです。
雇用許可制(EPS, Employment Permit System) は、韓国政府が国家対国家(G2G)協定を結んだ送出国の国民を、中小企業・農畜産業などで雇用できるようにした制度です。その経路で受け取るビザがまさにE-9(非専門就業)です。
ただしビザ・在留は国籍・職種・時期・個別の事情によって結果が変わるデリケートな領域です。以下の内容は一般的な流れを理解するための参考用なので(2026年6月時点)、実際に申請する前には必ず政府の公式チャンネルで最新の基準を確認してください。法律・行政上のアドバイスではありません。
雇用許可制(EPS)とは?
EPSは、韓国政府が 国家対国家(G2G)協定 を結んだ送出国の国民を、自国民を確保しにくい中小企業・農畜産業・漁業などで合法的に雇用できるようにする制度です。ポイントは、民間ブローカーではなく両国の公的機関が募集・選抜を管理する という点です。
- 発給ビザ:E-9(非専門就業) — 製造業・建設業・農畜産業・漁業・林業・一部サービス業の非専門/単純労務の職種
- 運営機関:韓国は 雇用労働部 と 韓国産業人力公団(HRDKorea)、母国は政府が指定した 送出機関
- 別トラック:同胞向けの H-2(訪問就業) はEPSと運営方式が異なります(この記事はE-9が中心です)
EPSの送出国はベトナム・フィリピン・タイ・インドネシア・モンゴル・スリランカ・カンボジア・ウズベキスタン・パキスタン・ミャンマー・ネパール・バングラデシュ・キルギス・東ティモール・ラオス・中国・タジキスタンなど 17か国(2026年時点、タジキスタンは2025年10月に初入国)で、カザフスタンの追加指定が進行中です。自国が参加しているかどうかや詳細な条件は、母国のEPSセンター(雇用労働部指定) で確認できます。
E-9申請のステップ(労働者の立場)
全体の流れは以下のとおりです。正確な名称・書類は送出国ごとに少しずつ異なる場合があります。
| ステップ | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 1. EPS-TOPIK受験 | 母国で韓国語能力試験(EPS-TOPIK)を受験 | 産業現場でのコミュニケーション中心。合格して初めて次へ進める |
| 2. 技能・体力検査 | 一部の職種は技能試験・面接を追加 | 職種・送出国により異なる |
| 3. 求職者名簿への登録 | 合格者が母国の送出機関を通じて求職者プールに登録 | HRDKoreaが名簿を管理 |
| 4. 事業主による選抜 | 韓国の事業主が名簿から労働者を選抜 | 点数・クォータ・業種の需要を反映 |
| 5. 標準労働契約の締結 | 標準労働契約書(SLC)を作成・署名 | 賃金・労働条件を明示 |
| 6. 査証発給認定書 | 韓国の事業主が 法務部 に査証発給認定書を申請 | この手続きが完了して初めてビザ申請が可能 |
| 7. E-9ビザ発給 | 母国駐在の韓国領事館/大使館でE-9査証を発給 | 通常2〜4週間、送出国の事情によりさらにかかる場合あり |
| 8. 事前就業教育 | 入国前/後の就業教育を修了 | 入国後の合宿教育(約2泊3日)で運営される場合が一般的 |
EPS-TOPIK は、学術用のTOPIKとは異なり「産業現場の韓国語」に焦点を当てた試験です。日程・受付は母国のEPSセンターの案内に従えば大丈夫です。この試験に合格することが、事実上すべての手続きの出発点になるからです。
入国後 — 外国人登録と定着
入国したら終わり、ではありません。
90日以上滞在する外国人は、入国日から90日以内に管轄の出入国・外国人官署で外国人登録をしなければなりません(未登録の場合は不利益があります)。E-9労働者は通常、次の順序を経ます。
- 就業教育の修了:入国直後に合宿形式の就業教育(職務・安全・韓国生活の案内など)
- 健康診断:指定医療機関で受診
- 外国人登録証(ARC)の申請:パスポート・写真(3.5×4.5cm)・申請書・手数料・健康診断の結果・雇用関連書類などを揃えて申請します。申請してから登録証を受け取るまでには 通常1か月以上 かかることがあります。
ARC(外国人登録証)は、国内に90日以上滞在する外国人が受け取る身分証で、在外同胞(F-4など)の国内居所申告証 とは別の制度です。ご自身の在留資格に合った手続きを確認してください。

在留期間と勤務先の変更
- 最初の在留:E-9は通常 3年 から始まります。
- 再雇用による延長:既存/新規の事業主と再雇用する場合、1年10か月 追加できます → 最長 4年10か月 です。
- 勤務先の変更:理由・回数に制限があります。2025年末〜2026年初め時点で、変更要件の緩和(例:一定の勤続後の移動を許可)が政府レベルで議論中との報道がありましたが、確定・施行の有無は時期によって変わるので、必ず雇用労働部の公式発表で確認する必要があります。
年度ごとの 導入クォータ(例:E-9の新規導入人数)は、政府の外国人材の導入・運用計画に応じて毎年決まり、変動幅が大きいです。具体的な数字は引用する時点によって異なるので、ここでは断定しません — 雇用労働部・EPSポータルの公式資料を確認してください。
どこで正確に確認するか(公式チャンネル)
| チャンネル | 用途 |
|---|---|
| EPS雇用許可制ポータル(eps.go.kr) | EPS-TOPIK・送出国・手続き案内(多言語) |
| ハイコリア(HiKorea, hikorea.go.kr) | ビザ・外国人登録・在留に関する行政手続き |
| 外国人総合案内センター 1345 | 多言語の電話相談(在留・ビザ全般) |
| 雇用労働部 顧客相談センター 1350 | 雇用許可・労働関連(査証・在留は1345) |
ビザ・在留・労働に関する規定はたびたび変わり、同じ制度でも国籍・職種・個人の経歴によって結果が変わります。そのため、上記の公式チャンネルが常に優先です。
よくある質問(FAQ)
Q1. EPSとE-9ビザは同じものですか? EPSは制度(雇用許可制)であり、E-9はその制度を通じて受け取るビザ(非専門就業)です。E-9は原則としてEPSの手続きを経て発給されます。
Q2. EPS-TOPIKに合格すれば、すぐに韓国で働けますか? いいえ。合格は出発点にすぎず、求職者名簿への登録 → 事業主による選抜 → 労働契約 → 査証発給認定書 → ビザ発給というステップが残っています。全体の期間は通常3〜6か月ほどです。
Q3. E-9で勤務先を自由に変えられますか? 理由・回数に制限があります。要件の緩和が議論されたことはありますが、施行の有無は時期によって異なるので、必ず雇用労働部・ハイコリアで現在の基準を確認してください。
Q4. 入国後、まず最初にすべき行政手続きは? 就業教育・健康診断を経て、入国から90日以内に外国人登録(ARC申請) を済ませることが肝心です。
Q5. 送出機関(ブローカー)に大きな金額を要求されましたが、正常ですか? EPSは公的機関が募集・選抜を管理する仕組みです。過度な費用の要求は危険なサインの可能性があるので、母国のEPSセンター・1345などの公式チャンネルに確認してください。
韓国到着後、移動と決済は前もって準備しましょう
EPSで入国すると、通常は数日間、就業教育・健康診断を受け、続いて外国人登録証(ARC)を申請することになります。登録証を手にするまでには通常1か月以上かかります。その間は、韓国の携帯電話番号や韓国の口座がないまま、空港から勤務先・教育場へ移動し、食事代や交通費を決済しなければならない空白期間が生じやすくなります。
この空白を ラチャ(LACHA) で埋められます。ラチャは、韓国の口座・携帯電話認証がなくても使えるように、正式な手続き上、別途の本人認証が不要となるよう設計された サービスなので、空港から地方の勤務地までの動線を一度にまとめるのに向いています。多言語インターフェースなので、韓国語にまだ慣れていない初期でも負担が少なくて済みます。
参考:この記事は2026年6月時点の一般的な情報提供用で、法律・行政上のアドバイスではありません。EPS・E-9の手続きと書類・クォータ・手数料は、国籍・職種・時期によって異なり、たびたび変わります。申請前には必ず EPSポータル(eps.go.kr)、ハイコリア(hikorea.go.kr)、外国人総合案内センター(☎1345)、雇用労働部 顧客相談センター(☎1350) などの政府公式チャンネルで、ご自身のケースを確認してください。ラチャ(LACHA)は交通の予約・決済アプリで、ビザ・行政手続きの代行は行いません。




