「空港でKakaoPayを入れたのに、本人認証で止まってしまいました。」韓国に着いたばかりの外国人が最もよくぶつかる壁です。
韓国は現金がなくてもほとんどの決済ができる国です。ところが、韓国人が毎日使うKakaoPay・NAVER Pay・Tossは、外国人登録証(ARC)・韓国の携帯番号(010)・韓国の口座の3つをすべて求めてきます。入国直後はこの3つのうち1つも持っていないことがほとんどなので、キャッシュレス先進国なのに肝心の決済ができない、という皮肉が起きるんです。
ルートは2つに分かれます。(A) 登録証が出てから韓国の決済アプリを正式にセットアップする道、(B) 登録証・口座・番号がなくても今日すぐ使える道です。本人確認がいらないよう設計された (B) を先に確保しておけば、到着初日から交通・決済の空白を埋められます。
料金・ポリシーは2026年6月時点のものなので、カード会社・駅・時期によって変わることがあります。決済できるかどうかは、使う直前に公式チャンネル(アプリ・駅・店舗)で確認してみてください。
まず知っておきたい2つの分類
韓国のモバイル決済手段は「本人確認が必要なもの」と「不要なもの」に分かれます。
| 区分 | 決済手段 | 必要条件 | 到着初日から可能? |
|---|---|---|---|
| 本人確認 必要 | KakaoPay / Toss / NAVER Pay | ARC + 韓国の口座 + 韓国の番号(010) | ✕(登録証の受け取り後) |
| 本人確認 不要 | Appleウォレット T-money | iPhone + 海外カード(一部) | ○ |
| 本人確認 不要 | WOWPASS | パスポートのみ(現金チャージ) | ○ |
| 本人確認 不要 | Alipay / WeChat Pay | 自国のアプリそのまま | ○ |
| 本人確認 不要 | 海外クレジット・デビットカード直結 | カード自体 | ○(端末・駅によって異なる) |
韓国の決済アプリが使えないからといって、決済そのものができなくなるわけではありません。
下の (B) ルートだけでも、初日から交通・コンビニ・食堂の決済は十分にこなせます。
(A) 登録証が出てから — 韓国の決済アプリを正式にセットアップ
KakaoPay・Toss・NAVER Payは、韓国の電子金融規定上、本人確認を経るよう設計されています。次の3点がすべて揃って初めて正式に登録できます。
- 外国人登録証(ARC) — 入国後、出入国・外国人庁に申請します。申請からカード受け取りまで通常1か月以上かかります。在留資格ごとの手続き・期間はハイコリア(HiKorea)のような政府公式案内で確認できます。
- 韓国の携帯番号(010-XXXX-XXXX) — 本人名義で開通する必要があります。観光用のeSIMや海外番号ではOTP認証が通らないんです。
- 韓国の銀行口座 — 多くの場合、ARC + パスポート + 韓国の番号がないと開設できません。
アプリ別の特徴
- Toss(トス): ARCのある外国人は本人確認が比較的シンプルで、デジタル口座の開設と決済を1つのアプリで済ませやすいです。英語UIにも対応しています。
- KakaoPay: KakaoTokベースです。韓国の番号・口座を連携すると、送金・QR決済・交通が1つにまとまります。観光SIM・海外番号では登録できません。
- NAVER Pay: NAVERアカウント認証 + 韓国の口座 + 韓国の通信キャリア番号がすべて必要です。オンラインショッピングの決済に強いタイプです。
ARCと居所申告(F-4 在外同胞の居所証)は別々の制度です。ご自身の在留資格に合った登録手続きは、ハイコリア(hikorea.go.kr)・外国人総合案内センター(局番なし1345)で確認してみてください。このガイドは一般的な情報提供であり、法的アドバイスではありません。

(B) 登録証・口座なしで今日すぐ使える決済
ここからが到着直後の実戦です。以下の手段は、正式な手続き上、別途の本人確認がいらないよう設計されているので、誰でもすぐに使えます。
1) Appleウォレット T-money(iPhone)
2025年7月から、iPhoneユーザーはAppleウォレットで直接追加(+ → 交通カード → T-money)するか、モバイルT-money(MobileTmoney)アプリでデジタルT-moneyを登録して使えるようになりました。チャージは国内発行カードが基本ですが、2026年3月18日からモバイルT-moneyアプリで海外発行のMastercard・Amex・UnionPayでのチャージが可能になりました(Visaは非対応、手数料約4.5%)。
2026年4月からは、Appleウォレットに登録したMastercardでモバイルT-money残高をチャージし、iPhone・Apple Watchのタッチで乗車できます(実物カードがなくても大丈夫です)。ただし、カード自体を改札にタッチするオープンループではありません — ソウル市のロードマップ上、地下鉄への直接タッチは2027年の端末交換以降に段階的に導入される予定です。
2) 実物・デジタルT-money(Android含めすべて)
2026年3月17日から、ソウルの地下鉄273駅のキオスク約440台で、海外発行のクレジット・デビットカードを使って1回用乗車券と気候同行カードの短期券(1・2・3・5・7日券)の購入・チャージができます(サービス利用料 約3.7%)。一般のT-moneyカードの購入・チャージはまだ海外カードの対象外なので、コンビニでの現金購入が確実で、一般T-moneyの海外カードチャージはモバイルT-moneyアプリ(Mastercard・Amex・UnionPay)のルートを使えばOKです。
コンビニ(GS25・CU・セブンイレブンなど)で現金チャージする方法は、昔から誰でも使えます。
3) WOWPASS — パスポートだけでOKのプリペイドカード
パスポートだけあればキオスクで発行されます(カード発行費 ₩6,000、1回限り — 現在の公式価格)。保証金ではなく発行手数料です。
同じキオスクにUSD・EUR・JPY・CNYなどの外貨紙幣を入れるとウォンにチャージされ、チャージした残高は韓国のどこでもカードのように使えます。
T-money機能内蔵型を選べば、交通カードまで1枚で解決できます(価格は同じ)。ただし、デリバリーアプリのような一部のオンライン決済では利用制限があります。
4) Alipay / WeChat Pay — 自国のアプリそのまま
自国で使っていたAlipay・WeChat Payを、韓国でもそのままQR決済として使えます。Olive Young・スターバックス・新世界(Shinsegae)・ザ・現代ソウル・ロッテ免税店・emart24・GS25・CUなど、対応店舗が広いです。
免税店・化粧品・観光エリアで特に強く、一部の地下鉄・タクシー決済もできます。
自治体のプロモーション(例:水原市のZero Pay加盟店でのAlipay決済割引)は時期ごとに運営されるので、決済の直前に適用されるか確認してみてください。
初日のおすすめ組み合わせ
状況別に、こう組めば詰まることなくスタートできます。
- iPhone + Mastercard: AppleウォレットにT-moneyを追加 → モバイルT-moneyアプリでMastercardからチャージ → スマホのタッチで乗車 + 店舗は海外カード/Alipayで。
- Androidの場合やカードチャージが多い場合: WOWPASS(T-money内蔵)を発行 → 交通・店舗をまとめて処理。
- 中華圏の利用者: Alipay/WeChat Payを基本にして、交通はT-moneyで補えばOKです。
- 市外・高速移動が多い場合: LACHAでKTX・高速バスの予約・決済を1か所で。
よくある質問(FAQ)
Q1. 韓国到着の初日、口座も番号もないのにモバイル決済はできますか? A. できます。KakaoPay・Tossは登録証・口座・番号が必要ですが、Appleウォレット T-money・WOWPASS・Alipay・WeChat Pay・海外カード直結は、本人確認なしですぐ使えるよう設計されています。
Q2. Google Payは韓国で使えますか? A. 2026年6月時点で、Google Payは韓国に正式リリースされていません。Androidユーザーは、WOWPASS・実物T-money・海外カード・Alipay/WeChat Payを使う方が安定します。
Q3. 海外クレジットカードで地下鉄のT-moneyをチャージできますか? A. 駅のキオスクでの海外カード決済(2026-03-17〜)は1回用券・気候同行の短期券が対象なので、一般T-moneyのチャージはモバイルT-moneyアプリの海外カードチャージ(Mastercard・Amex・UnionPay、Visaは非対応)か現金チャージを利用すればOKです。カード会社・駅・時期によって一部通らないことがあるので、現金を備えておくと安心です。
Q4. KakaoPayを観光SIMで登録できますか? A. できません。本人名義の韓国の番号(010)が必要で、観光用SIM・海外番号ではOTP認証が通りません。登録証を受け取ってから、韓国の番号・口座を揃えて登録すればOKです。
Q5. KTX・高速バスのチケットもモバイルで決済できますか? A. できます。ただし、KORAIL非会員の海外カード予約は3D Secure認証でよく止まってしまうんです。LACHAのように外国の決済手段に対応し、KTX・高速バスを統合で提供するアプリを使えば、認証の壁なしに一度に処理しやすいです。
ご注意:本記事は2026年6月時点の一般的な情報提供を目的としており、法律・金融・移民に関するアドバイスではありません。料金・決済の可否・ポリシーは、カード会社・駅・店舗・時期によって変わることがあります。外国人登録・在留資格などのデリケートな手続きは、必ず政府の公式チャンネル(ハイコリア hikorea.go.kr、外国人総合案内センター 1345)で確認してください。




