参考: この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、法律・金融・在留資格に関する助言ではありません。ビザ・在留・登録に関する事項は出入国・外国人政策本部の公式チャネル(ハイコリア hikorea.go.kr、外国人総合案内センター 1345)で、口座・金融限度に関する事項は取引先の銀行で必ず直接ご確認ください。
韓国で外国人が初めて作った口座は、通常1日100万ウォンまでしか振込・出金ができません。
口座の作り方を間違えたわけではありません。金融取引の目的を証明する資料が十分でない新規口座に付く「限度額制限口座(限度制限口座)」という標準的な措置なのです。問題は、給料の受け取り、家賃の送金、通信費の自動引き落としのように口座を使う場面は多いのに、いざこの限度を解除するには在職証明書や賃貸借契約書といった書類を窓口に別途提出しなければならないという点です。
そこで、ARC(外国人登録証)の受け取り前後にそれぞれどんな選択肢があるのか、パスポートだけで開く非居住者口座は何ができないのか、そして限度額制限口座を正式な口座に切り替える方法を、以下に順を追って見ていきます。銀行・支店・時期によって内部基準が異なるので、開設前には該当する銀行と出入国当局に直接確認するのがおすすめです。
ひと目でわかる必要書類
ほとんどの市中銀行で正式(居住者)口座を作るときに求められる主な書類は3つです。
| 必要書類 | 説明 | 備考 |
|---|---|---|
| 外国人登録証(ARC)または国内居所申告証・永住証 | 韓国で通用する外国人身分証 | モバイル外国人登録証も一部の銀行で認められる |
| パスポート原本 | 本人確認用 | 登録証と一緒に携帯するのが望ましい |
| 本人名義の韓国の携帯電話番号 | OTP・本人確認用 | 家族・他人名義の番号は拒否されることがある |
これに加えて、近年はマネーロンダリング防止(AML)規制が強化され、「口座開設の目的」を証明するよう求められるケースが増えました。在職証明書、雇用契約書、在学証明書、賃貸借契約書などが目的の証明として使われます。証明がなければ、口座は作れても限度額制限口座からのスタートになります(下記で別途説明)。
ARC(外国人登録証)と国内居所申告証(F-4 在外同胞など)は別の制度です。ご自身の在留資格に合った身分証を携帯してください。身分証としては通常、外国人登録証・永住証・国内居所申告証が認められます。
ステップ別の開設手続き(正式口座)
ステップ1 — まず外国人登録
90日を超えて滞在する外国人は、入国後の定められた期間内に管轄の出入国・外国人庁で外国人登録を行い、外国人登録証(ARC)の発給を受ける必要があります。申請から実物カードの受け取りまでは通常1か月以上かかります。この空白期間に口座が急ぎで必要なら、下記の「ARCなしで可能なケース」をご覧ください。登録の手続き・期限・必要書類は在留資格ごとに異なるので、ハイコリア・1345で確認してください。
ステップ2 — 銀行・支店の選択
住まいや職場の近くの支店で問題ありませんが、可能なら外国語対応ができる支店を選ぶとぐっと楽になります。新韓(シンハン)・ハナ・ウリ・KB国民・NH農協などの主要銀行は、一部の支店で英語などの外国語相談を提供しています(すべての支店ではありません)。訪問前に電話で外国人の口座開設が可能かどうか、外国語対応の職員がいるかを聞いておくと、無駄足を減らせます。
ステップ3 — 訪問・申請
書類をそろえて支店を訪問します。申請書の記入、本人確認、目的確認、約款への同意を経て、おおむね30〜60分ほどかかります。デビット(チェック)カードの発行やインターネット・モバイルバンキングの加入も、この場で一緒に申し込めます。
ステップ4 — モバイルバンキング・OTPの設定
口座を開いたら、その銀行のアプリをインストールし、本人名義の携帯電話で認証してモバイルバンキングを有効にします。振込のたびにOTPやアプリ認証が必要になるので、韓国の携帯電話番号は事実上必須です。

限度額制限口座 — なぜ100万ウォンしか振り込めないのか
初めて作った口座で振込・出金ができず戸惑う方が多いようです。金融取引の目的を証明する資料が十分でないときに付く限度額制限口座のためです。ボイスフィッシング(振り込め詐欺)や名義貸し口座(大砲通帳)を防ぐため、韓国人を含むすべての新規顧客に幅広く適用されます。
限度額制限口座の標準的な限度(2024年5月2日の引き上げ基準)は以下のとおりです。銀行ごとに細かい方針は異なる場合があります。
| 取引の種類 | 1日の限度(限度額制限口座) |
|---|---|
| インターネット・モバイル・電話バンキングでの振込 | 100万ウォン |
| ATMでの出金・振込 | 100万ウォン |
| 銀行窓口での出金 | 300万ウォン |
窓口での出金だけは300万ウォンと少し余裕がある点は、急ぎのときに役立つので覚えておくとよいでしょう。
限度の解除方法
限度を解除するには、銀行の窓口に金融取引の目的を証明する書類を提出します。外国人がよく使う証明は次のとおりです。
- 給与振込用: 在職証明書、雇用契約書、給与明細書
- 留学生: 在学証明書、学費納入の領収書
- 住居関連: 賃貸借契約書(チョンセ・月払い契約書)
- 事業・フリーランス: 事業者登録証、取引の証明
書類が認められれば限度が解除され、一般の口座と同じように使えます。ただし、どの書類を認めるかは銀行の裁量によるので、訪問前に支店へあらかじめ問い合わせるほうが安心です。
ARCなしで口座を作れるか
作ることは可能ですが、制約が大きいです。 一部の銀行は、短期滞在者・交換留学生・インターン・出張者などに対して、パスポートだけで非居住者ウォン建て預金口座を開いてくれることもあります。こうした「パスポート口座」には、たいてい以下のような限界が伴います。
- 海外送金(国際振込)ができない — 国際送金は通常ARCを受け取ったあとに可能になります
- ATMカード・オンラインバンキングが制限され、窓口取引のみというケースもあります
- 短期観光ビザの所持者はほとんど開設を断られます
ARCを受け取れば、同じ銀行で口座を正式な口座に切り替え・アップグレードできるケースが多いです。具体的に可能かどうかや必要書類は、銀行・支店・在留資格・時期によって異なるので、決めつけずに直接確認してください。
モバイル外国人登録証で非対面開設
2025年1月から法務部がモバイル外国人登録証の発給を開始しました。本人名義のスマートフォンを持つ満14歳以上の登録外国人は、「大韓民国モバイル身分証」アプリをインストールしたうえで、ICチップが内蔵された外国人登録証をスマートフォンにかざすか、QRコードを撮影して発給を受けられます。
2025年3月21日からは、新韓(シンハン)・ハナ・iMバンク・釜山・全北・済州銀行など6行で、モバイル外国人登録証による口座開設を含む金融業務が可能になり、その後順次拡大しました。新韓・全北など一部の銀行は、非対面(アプリ)でもモバイル外国人登録証での開設に対応しています。ただし、非対面で作った口座もたいてい限度額制限口座からのスタートになるので、限度の解除は上記の手続きをそのまま踏めば大丈夫です。対応する銀行・機能は変わり続けるので、最新の状況は各銀行でご確認ください。
FAQ
Q1. 韓国の携帯電話番号がなくても口座を作れますか? A. ほとんどの正式口座は本人名義の韓国の携帯電話番号(OTP・本人確認用)を求めます。番号がないと開設を断られたり、機能が大きく制限されたりします。家族・他人名義の番号は認められないことが多いです。
Q2. 初めて作った口座で、なぜ大きな金額の振込ができないのですか? A. 限度額制限口座だからです。ボイスフィッシング防止のための標準的な措置なので、在職証明書・賃貸借契約書などの金融取引の目的を証明する書類を窓口に提出すれば、限度を解除できます。
Q3. 外国人登録証の発給前は何もできないのですか? A. 一部の銀行ではパスポートだけで非居住者口座を開けますが、機能は限定的で(海外送金ができないなど)、短期観光ビザではほとんど難しいです。ARCの発給まで通常1か月以上かかる空白期間には、海外の決済手段で交通・支払いを済ませる方法もあわせて検討してみてください。
Q4. 韓国の銀行口座がないと、KTXの予約やタクシー・公共交通の支払いはどうすればいいですか? A. 韓国のカード・口座がなくても支払う方法はあります。詳しくは下記のLACHAのご案内をご参考ください。(可否はカード会社・駅・時期によって変わることがあります。)
Q5. 口座開設にはどのくらい時間がかかりますか? A. 書類さえそろっていれば、窓口訪問ベースで通常30〜60分です。外国語対応の支店を事前に確認しておくと、よりスムーズです。
参考: この記事は2026年基準の一般情報の提供が目的で、法律・行政上の助言ではありません。在留・ビザ・健康保険・口座開設の手続きと書類・手数料・要件は、個人の国籍・在留資格・時期によって異なり、随時変わります。実際に進める前にハイコリア(hikorea.go.kr)、外国人総合案内センター(☎1345)、管轄の出入国・外国人庁といった公式チャネルでご自身のケースを確認してください。ラチャ(LACHA)は交通・決済アプリであり、ビザ・行政の代行サービスではありません。




