アプリで気に入ったワンルームを見つけたのに、問い合わせ電話のボタンが韓国の携帯電話による本人認証を求めてきて止まり、やっとの思いで不動産屋にたどり着いて韓国語の契約書に署名はしたものの、登記簿謄本が何なのか分からないまま印鑑を押し、入居後にしなければならない届出があることも知らずに過ぎてしまいます。そのうち家が競売にかけられたり、大家さんが連絡を絶ったりすると、数か月分の給料を貯めた保証金がまるごと危険にさらされます。外国人の借主がよく踏んでしまう失敗コースです。
月家賃(ウォルセ・월세)の契約は、手順さえ分かれば難しくありません。この記事は保証金・月家賃・管理費の仕組みから物件探し、契約前の登記簿謄本の確認、契約書の特約、仲介手数料の計算、入居後の届出と保証金を守る仕組みまで、実際の順番どおりにたどります。韓国生活の初期全般の準備は韓国 最初の1か月チェックリストに別途あります。
以下の相場・料率・期限は2026-08時点の公開情報に基づいています。相場は四半期ごとに変わり、料率や届出の規定も改正されることがあるので、契約前に大法院インターネット登記所(iros.go.kr)・ハイコリア(hikorea.go.kr)などの公式サイトで必ず再確認してください。
保証金・月家賃・管理費の仕組みを理解する
韓国のワンルーム賃貸は、お金が3つに分かれて出ていきます。保証金(契約時に預けて退去時に返してもらうまとまったお金)、月家賃(毎月払う賃料)、管理費(建物の維持費・公共料金の名目)です。ワンルームの相場統計が保証金1,000万ウォン基準で換算されるほど、ソウルのワンルームは保証金1,000万ウォン前後に月家賃を乗せる組み合わせが標準のように使われています(2026-08基準)。保証金を上げる代わりに月家賃を下げる調整も、大家さんと相談すれば可能な場合があります。
ちなみに韓国には、チョンセ(전세)という独特な制度もあります。月家賃なしで大きな保証金だけを預けて住む方式ですが、まとまったお金が大きく必要で、保証金を取りはぐれたときの損失もその分大きいので、韓国生活を始める外国人には普通、月家賃が現実的な選択です。この記事も月家賃契約を基準に説明します。
管理費は、広告に「月○万ウォン」とだけ書かれていると何が含まれるのか分からず、トラブルが多いです。そのため月10万ウォン以上の定額管理費の物件は、広告の際に一般管理費・電気/水道/暖房の使用料・その他管理費に分けて表示することが義務です(2023年9月施行の国土交通部告示)。違反すると過料50万ウォン、虚偽・誇大表示は500万ウォンです。問い合わせるときは、インターネット・水道が含まれるか、電気・ガスが別途かを必ず確認してください。
ソウルのワンルーム相場をつかむ(2026年第1四半期基準)
国土交通部の実取引35,516件を分析した統計によると、2026年第1四半期のソウルのワンルーム(専用33㎡以下)の平均月家賃は、連立・多世帯(低層の集合住宅)が80万9,000ウォン、オフィステル(오피스텔)が82万ウォンです(保証金1,000万ウォン基準で換算、保証金・月家賃の転換率5.5%を適用)。調査基準の異なる統計では60万ウォン台後半になることもあるので、単一の「ソウルのワンルーム平均」はないと考えるのが正確です。
| 区分 | 連立・多世帯 | オフィステル |
|---|---|---|
| 月家賃が高い区 | 江南(カンナム)98.8万 > 瑞草(ソチョ)98.4万 > 龍山(ヨンサン)94.5万 > 永登浦(ヨンドゥンポ)94.2万 > 城東(ソンドン)87.9万 | 龍山107.2万 > 松坡(ソンパ)97.6万 > 江南97.1万 |
| 月家賃が低い区 | 蘆原(ノウォン)50.0万 < 道峰(トボン)58.6万 < 江北(カンブク)59.3万 | 蘆原59.2万(最低) |
同じソウルの中でも、蘆原と江南は約2倍の差があります。オフィステルは龍山だけが唯一、月100万ウォンを超えました。予算が厳しければ、蘆原・道峰・江北のように地下鉄で都心にアクセスできて月家賃が低い区から見ていくのがコツです。ただしこの数値は2026年第1四半期の実取引が基準なので、契約時点の実際の売り出し価格とは違うことがあります。
物件探し — チクバン・タバンのアプリと不動産屋訪問
韓国のワンルーム物件は、ほとんどがチクバン(직방・Zigbang)・タバン(다방・Dabang)の2つのアプリに載ります。外国人の利用について知られていることは、次のとおりです(2026-08基準)。
- 登録・閲覧はできるほう: チクバンはカカオ・Gmail・Facebookのソーシャルログインでアカウントを作れるので、物件検索や相場のチェックまでは韓国の携帯による本人認証なしでできると案内されています。
- 画面は事実上、韓国語専用: インターフェースも物件説明も韓国語中心だという外国人の口コミが多いです。英語対応の範囲はアプリ・バージョンによって異なることがあるので、直接の確認が必要です(公式確認が必要)。翻訳アプリのカメラ機能と一緒に使えば、見て回るのに大きな支障はありません。
- 主要機能では本人認証で止まることがあります: 安心番号(안심번호)通話や電子契約のような機能は、韓国の携帯による本人認証を求めることがあります。外国人登録証(ARC)で本人名義の携帯を開通すればPASS本人認証が使えるので(通信会社の公式案内)、長期滞在なら携帯電話の開通から解決するのが何かと楽です。
そして、構造的な限界があります。アプリで部屋を見つけても結局は対面での契約が前提なので、予約から契約までアプリの中で完結しません。だから実戦的なルートは、希望する街の不動産屋(公認仲介士事務所)への直接訪問です。地下鉄駅の周りに不動産屋が集まっているので、アプリで相場と候補の街を決めたあと2〜3軒を回り、「保証金○○、月家賃○○以下、入居日○○」と書いて見せれば、条件に合う部屋をすぐ見せてくれます。会話は翻訳アプリの画面で十分通じます。
契約前に、まず登記簿謄本を確認してください
登記簿謄本(登記事項証明書)は、その家の所有者と借金が記された公式の記録です。契約前にこれさえ確認すれば、保証金トラブルのかなりの部分をふるい落とせます。大法院インターネット登記所(iros.go.kr)で住所さえ分かれば、借主の資格を問われることなく誰でも取れて、料金は閲覧700ウォン・発給1,000ウォンです。ただしオンライン決済・認証が海外のカードではスムーズにいかないことがあるので、詰まったら仲介士に契約直前に発給した最新版を頼んでください — 見せるのが正常な手続きです。
見るところは3か所です。
- 表題部(표제부): 住所が、自分の契約しようとしている部屋と正確に一致するかを確認します。
- 甲区(所有権): 最後に記載された現在の所有者名を確認します。この名前が契約の相手方でなければなりません。差押え・仮差押えのような言葉が見えたら、避けるのが安全です。
- 乙区(抵当権): 根抵当(担保ローン)が設定されているか、金額がいくらかを見ます。借金の大きい家は競売にかけられると銀行が先に配当を受けるので、保証金を返してもらえないことがあります。
幸い、少額の保証金には安全弁があります。ソウル基準で保証金1億6,500万ウォン以下の借主は、家が競売にかけられても最大5,500万ウォンまで最優先で弁済を受けられます(住宅賃貸借保護法施行令、2023年2月改正以降の基準)。ただし先順位の担保権が設定された時点によって適用される金額が変わるので、根抵当がある家なら仲介士に計算を頼んでください。そして残金を払う日の朝に登記簿謄本をもう一度取って、その間に新しい根抵当ができていないかを確認するところまでが定石です。
契約当日のチェックリスト
- 大家さん本人の確認: 登記簿謄本の甲区の所有者名と、契約の場に出てきた人の身分証が一致するかを確認します。代理人が来たなら、委任状と印鑑証明書を求めるのが標準です。
- 入金は所有者名義の口座へ: 手付金・保証金は必ず、登記簿上の所有者名の口座に送ります。第三者の口座に送るよう言われたら、いったん止まってください。振込には韓国の口座が事実上必要なので、まだなければ外国人の銀行口座開設を先にご覧ください。
- 特約を書き入れる: 口約束は残りません。「入居前に壁紙・床材の交換」「カビ・水漏れが発生したら貸主が修理」「保証金は退去日に返還」「管理費にインターネット・水道を含む」といった合意は、契約書の特約欄に文章で入れてもらうよう頼んでください。
- 書類の保管: 契約書の原本と入金の領収書は、退去まで保管します。あとで出てくる滞在地変更届・賃貸借の届出・保証保険は、いずれも契約書が必要だからです。
- 契約書は韓国語が基準: 翻訳版をもらっても、法的な基準は韓国語の原本です。署名の前に、金額・期間・特約の数字だけでも翻訳アプリで必ず照合してください。

仲介手数料はいくらが正しいのか
不動産屋を通して契約すると、仲介報酬(ポッピ・복비)を払います。月家賃の契約は換算保証金 = 保証金 +(月家賃 × 100)で計算した金額に区間別の上限料率を掛けますが、この値が5千万ウォン未満なら、保証金 +(月家賃 × 70)で計算し直します。
| 換算保証金 | 上限料率 | 限度額 |
|---|---|---|
| 5千万ウォン未満 | 0.5% | 20万ウォン |
| 5千万〜1億ウォン | 0.4% | 30万ウォン |
| 1億〜6億ウォン | 0.3% | — |
| 6億ウォン以上 | 0.4〜0.6%(区間別) | — |
たとえば保証金2,000万ウォン・月家賃40万ウォンなら、換算保証金6,000万ウォン → 料率0.4% → 仲介報酬は最大24万ウォンです。ポイントは、この料率が上限だということ — 法定の最高値にすぎないので、契約前に相談して下げることができます。料率表は自治体の条例が基準なので地域によって少し異なることがあり、仲介事務所に掲示されている場合が多いので、署名の前にいくらで計算されたかを確認してください(2026-08基準、公式確認が必要)。
入居後15日、滞在地変更届
韓国人の転入届にあたる手続きが、外国人には滞在地変更届です。引っ越した日から15日以内に、新しい滞在地を管轄する住民センターまたは出入国・外国人官署に届け出なければなりません(出入国管理法第36条)。手数料は無料で、ハイコリア(hikorea.go.kr)や政府24(gov.kr)でのオンライン届出もできると案内されています。用意するものは外国人登録証+賃貸借契約書です(本人名義の契約でなければ宿所提供確認書)。
期限を過ぎると、法律には100万ウォン以下の罰金が定められています(出入国管理法第98条)。実際の賦課額や方法は遅延の期間・回数によって変わるので(公式確認が必要)、いずれにせよ15日以内に終わらせるのが答えです。届出のあとに外国人登録証の住所情報を変更する手続きは、外国人登録証の再発給・住所変更に別途まとめています。
この届出が重要な本当の理由は、別にあります。外国人の滞在地変更届は法的に転入届に代わるので(出入国管理法第88条の2)、住宅賃貸借保護法上の対抗力(家が売られたり競売にかけられたりしても、借主の地位を主張できる権利)の要件になります。大法院の判例(2015ダ14136)で確認された内容です。つまり届出を先延ばしにすると、罰金の問題以前に、保証金を守るための最初のボタンを掛け違えることになります。
保証金を守る三重の仕組み — 確定日付・賃貸借の届出・保証保険
① 確定日付(확정일자): 契約書に日付印をもらって、優先弁済権(競売のときに後順位の債権者より先に配当を受けられる権利)を確保する手続きです。住民センターに契約書を持っていけば、600ウォンですぐもらえます。インターネット登記所でのオンライン申請(500ウォン)もありますが共同認証書が必要なので、外国人は滞在地変更届に行くついでに、住民センターで一緒に処理するのが確実です。
② 住宅賃貸借の届出: 保証金6千万ウォン超、または月家賃30万ウォン超の契約は、締結日から30日以内の届出が義務です(貸主・借主の共同、片方が契約書を添付して単独で届け出ることも可能)。契約書を添付して届け出れば確定日付が自動的に付与されるので、①を別途行う必要がありません。猶予期間(啓発期間)が終わって2025年6月からは、未申告の場合に過料2万〜30万ウォン(虚偽申告は100万ウォン)が科されると国土交通部が案内しています。外国人の滞在地変更届がこの賃貸借の届出まで代わりになるかは確認されていないので、対象の金額なら不動産取引管理システム(rtms.molit.go.kr)か住民センターで別途届け出るのが安全です。
③ チョンセ保証金返還保証(HUG): 大家さんが保証金を返さないとき、住宅都市保証公社(HUG、khug.or.kr)が代わりに返して大家さんに請求する保証商品です。外国人・在外国民も加入できると案内されています — ただし対抗力(滞在地変更届)と確定日付を備えている必要があり、外国人登録証・出入国事実証明のような追加書類が求められることがあります(公式確認が必要)。申請は契約期間1年以上の契約で、期間の半分が過ぎる前にしなければならないと案内されており、保証料・限度は条件ごとに違うので、HUGのコールセンター ☎1566-9009で確認してください。ちなみにソウル市の保証料支援事業(最大30万ウォン)は外国人・在外国民が対象から外れているので、保証料は自己負担で計算する必要があります。
足で回る内見と引っ越しの動線まで押さえれば契約は完了
部屋探しは、実のところ移動の連続です。候補の街を3〜4か所、地下鉄で行き来し、不動産屋のツアーを回り、届出のために住民センターと出入国官署に行き、引っ越しの日にはスーツケースと段ボールを持ってタクシーを呼ばなければならないからです。ところが韓国の交通・タクシーアプリの多くが韓国の携帯電話による本人認証の段階で外国人を止めてしまうので、部屋を見て回る段階から足止めされることが多いんです。
本人認証なしで使えるように設計された交通・決済アプリを1つ入れておくと、この動線がシンプルになります。韓国の携帯なしでタクシーを呼び、海外の決済手段(Visa・Mastercard・Alipayなど)でそのまま決済できれば、荷物を持って動く引っ越しの日や、郊外の街での内見までずっと楽になるからです。
よくある質問(FAQ)
Q1. チクバン・タバンは外国人だと登録できないのですか? ソーシャルログイン(カカオ・Gmailなど)でアカウントを作って物件を見て回るところまでは可能だと案内されています(2026-08基準)。ただし安心番号通話や電子契約のような主要機能で韓国の携帯による本人認証が求められることがあり、これは外国人登録証で本人名義の携帯を開通すれば解決します。アプリは相場調査用に使って、契約は不動産屋で進めると考えると気が楽です。
Q2. 登記簿謄本は外国人でも取れますか? はい。借主の資格を問われないので、住所さえ分かれば誰でもインターネット登記所(iros.go.kr)で閲覧(700ウォン)・発給(1,000ウォン)ができます。オンライン決済や認証が海外のカードで止まるなら、仲介士に最新版の発給を頼んでください。受け取った書類が契約の直前に発給されたものか、日付も必ず確認してください。
Q3. 滞在地変更届の15日をすでに過ぎてしまいました。どうしましょう? 今からでもすぐ届け出てください。法定の制裁(100万ウォン以下の罰金の規定)の実際の処分は遅延の期間・回数によって変わると案内されているので(公式確認が必要)、遅くなるほど不利になるだけです。ビザの延長など他の出入国業務で住所の不一致が明らかになるともっと困るので、先延ばしにせず住民センターやハイコリアで処理するのが答えです。
Q4. 管理費に何が含まれるのか、契約前に分かりますか? 月10万ウォン以上の定額管理費の物件は、広告に一般管理費・電気/水道/暖房・その他の項目を分けて表示することが義務です(国土交通部告示)。広告にひとまとめに書かれていたら、問い合わせの段階でインターネット・水道が含まれるか、電気・ガスが別途かを具体的に聞いて、その答えを契約書の特約に書いておけばトラブルを防げます。
Q5. 仲介手数料は言われたとおりに払わなければなりませんか? いいえ。法定の料率は上限なので、それ以下で相談できます。月家賃の契約は保証金 +(月家賃 × 100)で換算保証金を出し、区間の料率を掛ければ最大の金額が出ます(本文の表を参考にしてください)。契約書に署名する前に、手数料がいくらで計算されたのかをまず聞くのが順序です。
契約を終えたら、定着の次のステップへ
契約書に印鑑を押したら、残る仕事は順番に3つです。15日以内に滞在地変更届(外国人登録証の住所変更手続き)、確定日付または賃貸借の届出、必要なら保証保険への加入までです。月家賃の振込用の韓国の口座に自動振替を設定しておけば、毎月気にすることがなくなります。いつか契約が終わって保証金を返してもらったら、そのまとまったお金を母国へ送る方法は韓国から海外送金する方法にまとめています。慣れない書類が多いですが、一つずつ終えるたびに、韓国生活の基盤がその分しっかりしていきます。
参考: この記事は一般的な情報提供を目的としており、法律相談ではありません。本文の相場は2026年第1四半期の実取引統計、料率・期限・過料は2026-08時点の公開情報が基準なので、以後変わることがあります。契約・届出の前に大法院インターネット登記所(iros.go.kr)、ハイコリア(hikorea.go.kr)、不動産取引管理システム(rtms.molit.go.kr)、住宅都市保証公社(khug.or.kr)の最新の案内を確認し、外国語での相談は外国人総合案内センター ☎1345をご利用ください。ラチャ(LACHA)は不動産仲介・法律サービスの提供者ではなく、本案内によって生じる結果について責任を負いません。



