税務署の窓口で「원천징수영수증(源泉徴収領収書)をください」と言うと、「それは会社でもらってください」という答えが返ってきます。国税庁がこの書類を発行しないからです。所得税法は源泉徴収領収書の発行義務を所得を支払った会社(源泉徴収義務者) に負わせています — 勤労所得は第143条第1項、事業所得は第144条第1項、退職所得は第146条第3項、非居住者の国内源泉所得は第156条第12項です(2026年基準)。
国税庁が発行する所得証明は名前が違います。所得金額証明という別の民願証明で、国税庁はこの証明を、ホームタックス・税務署の訪問・無人民願発給機で申請できる即時発給証明14種のひとつとして案内しています。窓口が求めた紙が、この二つのどちらなのかを知らないまま動くと無駄足になります。
この記事は書類を手に入れる段階までを扱います。申告の手続き・還付・更正の請求は5月の総合所得税申告とホームタックスに別途まとめてあります。
注意: この記事は一般的な情報案内であり、税務・法律のアドバイスではありません。所得の種類・居住者かどうか・会社の状態によって結論が変わりますので、ご自身の状況に合った判断は、下の公式窓口で必ずご確認ください。
会社が出す書類と国税庁が出す書類は違います
この記事からひとつだけ持ち帰るとすれば、この一文です。源泉徴収領収書は会社が出す書類で、国税庁はこの書類を発行してくれません。 国税庁が出す所得証明は、所得金額証明という別の書類です。
| 区分 | 源泉徴収領収書 | 所得金額証明 |
|---|---|---|
| 発行するところ | 所得を支払った会社(源泉徴収義務者) | 国税庁 |
| 根拠 | 所得税法第143条・第144条・第145条・第146条・第156条 | 国税庁の民願証明(即時発給14種に含まれる、国税庁の案内基準) |
| どこで | 会社の給与・経理担当者に依頼 | ホームタックス、税務署の訪問(身分証持参)、無人民願発給機 |
| いつから | 所得の種類ごとの法定期限内に会社が発行 | 会社が支払明細書を国税庁に提出した後 |
| 何が書かれるか | 支払った所得金額と源泉徴収した税額 | 国税庁が把握した課税期間ごとの所得金額 |
ですから最初の行動は発給の申請ではなく確認です。ビザ延長の窓口でも銀行でも、求められた書類の名前を韓国語のまま書いてもらうよう頼んでください。「원천징수영수증」「소득금액증명」「지급명세서」「재직증명서」は、外国人の読者にはどれも「所得を証明する紙」に聞こえますが、発行するところがすべて違います。名前を正確に書き取ってもらうだけで、無駄足が一回減ります。
「지급명세서(支払明細書)」と書かれていても同じ書類です
会社に源泉徴収領収書をくださいと言ったのに、「지급명세서(支払明細書)」と書かれた紙を受け取ることがよくあります。もう一度頼む必要はありません。勤労所得については、この二つが同じ書式だからです。
所得税法施行規則第100条第26号は、勤労所得の源泉徴収領収書と勤労所得の支払明細書をどちらも別紙第24号書式と定めており、その書式の正式名称自体が「勤労所得源泉徴収領収書、勤労所得支払明細書(所得者保管用、発行者保管用、発行者報告用)」です。ひとつの書式を所得者用・会社の保管用・国税庁への報告用に分けて使う仕組みなので、自分が受け取るのはそのうちの所得者保管用です。事業所得・その他所得などは別紙第23号書式の系列です(同規則第100条第25号)。
会社が差し引いた税金を国税庁に実際に納めたのか不安に思う方も多いです。この点について国税庁は、源泉徴収領収書について、源泉徴収された税金が国税庁に実際に納付されたかどうかとは関係なく、所得の支払いと源泉徴収の事実を証明する書類だと案内しています(国税庁の外国人向け英文ガイドブック)。ただしこれは国税庁の案内文書で確認した説明であって、条文と突き合わせたものではありませんので、滞納がからむ件であれば☎126や管轄税務署に事情をそのまま伝えてご確認ください。
自分の所得はどの書類か — 種類ごとに紙が違います
3.3%を差し引かれたフリーランス・講師・配達従事者が「勤労所得の源泉徴収領収書をください」と言うと、会社から「そんなものはない」という答えが返ってきます。書類がないのではなく、別の書式だからです。
| 自分の所得 | 発行するところ | 根拠条文 | 源泉徴収の税率 |
|---|---|---|---|
| 勤労所得(給与) | 所得を支払った会社 | 所得税法第143条第1項 | 毎月控除したうえで年末調整で精算 |
| 退職所得(退職金など) | 退職所得を支払う者 | 所得税法第146条第3項 | 退職所得税として別途計算 |
| 事業所得(フリーランス・講師) | 所得を支払ったところ | 所得税法第144条第1項 | 100分の3(第129条第1項第3号)、地方所得税を含めて実務上3.3% |
| その他所得(研究費などの一時的な役務) | 所得を支払ったところ | 所得税法第145条 | その他のその他所得は100分の20(第129条第1項第6号ラ目) |
その他所得は計算の仕組みがもう一段あります。国税庁のガイドブックは、大学院の研究費のような一時的な人的役務の対価をその他所得とみなし、総収入金額から必要経費(経費率60%)を差し引いたその他所得金額に、地方所得税を含めた22%を源泉徴収すると案内しています。
📌 重要: 自分が労働者なのか事業所得者なのかを、この表で自己判定しないでください。3.3%で処理されたという事実ひとつで違法だと断定することもできません。どちらで処理されたのかは会社と☎126(国税相談)に、労働条件のもめごとがからんでいる場合は☎1350にもあわせてご確認ください。

会社はいつまでに出さなければならないか — 法が定めた発行期限
発行は会社の好意ではなく法定の義務で、期限が決まっています。勤労所得については、所得税法第143条第1項が三つに分けています(2026年基準)。
| 自分の場合 | 会社の発行期限 | 根拠 |
|---|---|---|
| 在職中(継続勤労) | 翌年2月末日 | 所得税法第143条第1項 |
| 課税期間の途中で退職 | 退職した日が属する月の勤労所得の支給日が属する月の翌月末日 | 所得税法第143条第1項ただし書 |
| 日雇労働者 | 勤労所得の支給日が属する月の翌月末日 | 所得税法第143条第1項ただし書 |
| 退職金などの退職所得 | 支給日が属する月の翌月末日 | 所得税法第146条第3項 |
| 勤務先が2か所(従たる勤務先) | 請求があれば遅滞なく | 所得税法第143条第2項 |
中途退職者は、退職する月にすでに年末調整が行われます(所得税法第137条第1項)。ですから退職した直後が、依頼するのにいちばんよいタイミングです。時間がたって担当者が替わると、難しさが一気に上がります。
一年のうちに会社を移ったなら、前の勤務先の書類を必ずもらっておいてください。所得税法第138条第1項は、新しい勤務先の源泉徴収義務者が前の勤務先の勤労所得と合算して年末調整をするよう定めているので、その紙がないと合算ができません。勤務先が二か所ある場合は、従たる勤務先が請求があれば遅滞なく発行しなければならないという条文(第143条第2項)が、そのまま請求の根拠になります。毎月受け取る給与明細書とは別の書類ですので、明細書のほうは給与明細書の読み方をご覧ください。
国税庁側ではいつから確認できるか — 支払明細書の提出が分かれ目
国税庁は、所得を支払う者が支払明細書を提出するまでは、個別の所得者の源泉徴収内訳を国税庁を通じて確認することはできないと案内しています。つまり国税庁側の経路は、会社が資料を提出した後にはじめて開きます。その期限が所得税法第164条第1項に四つに分けて定められています。
| 状況 | 会社の支払明細書の提出期限 |
|---|---|
| 勤労・退職・事業所得、宗教人所得・奉仕料 | 翌年3月10日 |
| その他の所得(その他所得など) | 翌年2月末日 |
| 日雇労働者の勤労所得 | 支給日が属する月の翌月末日 |
| 会社が休業・廃業・解散 | その日が属する月の翌々月末日 |
ここでいちばん危ないのが1~3月です。勤労・退職・事業所得は3月10日を過ぎないと国税庁側に資料が入ってこないのに、出国する人の確定申告の期限は出国日の前日だからです(所得税法第74条第4項)。国税庁のガイドブックも、出国前の申告には源泉徴収領収書が必要なので、税務署に行く前に会社へ発行を依頼し、外国人登録証といっしょに持参するようにと書いています。
注意: この区間にかかった人は、国税庁の照会で代えることができません。会社から紙を直接受け取る以外に事実上の代案がなく、出国してしまうと回収の手段がほとんどなくなります。帰国の日程が決まったら、少なくとも1か月前に会社へ依頼してください。
ビザ延長・送金・本国での申告 — 求められた書類名をまず確認してください
用途別の必要書類をこの記事で確定しない理由があります。窓口・機関ごとに違ううえ、私たちが一次資料で確認できなかったからです。代わりに、順番はこう組めば大丈夫です。① 何を求められたのか、書類名を正確に書き取り ② それが会社の書類なのか国税庁の書類なのかを上の表で分けたうえで ③ 該当するところに依頼してください。
- 滞在期間の延長・資格変更 — 在留資格と申請の種類、管轄の出入国官署によって必要書類が分かれます。ハイコリア(hikorea.go.kr)と☎1345(外国人総合案内センター、多言語)で、ご自身の資格を基準にご確認ください。
- 海外送金 — 銀行・少額海外送金業者が求める所得証憑の具体的な書類名は、業者ごとに違います。送金の手続きと準備物は本国へ送金する方法にまとめてあり、どの紙なのかは取引する銀行に直接聞くのが正確です。
- 本国での税金申告 — 国ごとに制度が違うので、この記事では扱いません。本国の税務当局や、駐韓の自国大使館にご確認ください。
本国への提出用に英文が必要な場合が多いのですが、源泉徴収領収書・所得金額証明の英文発給ができるかどうかは、今回の整理では確認できませんでした。準備の前に☎1588-0560にまず問い合わせてください。国税庁は英文サイト(www.nts.go.kr/english)で英文の書式と記入案内を提供しています。
会社側の経路がふさがったとき — 出してくれない・廃業した・連絡がつかない
この書類を探している人のかなりの割合は、すでに退職しているか、会社との関係が悪くなっている状態です。ここでよく出回っている誤った情報から取り除いておきます。源泉徴収領収書を発行しなかったこと自体に対する罰則・過料の規定は、所得税法にありません。
よく引用される第81条の11(支払明細書等の提出不誠実加算税)は性格が違います。これは会社が国税庁に支払明細書を提出しなかったことに対する加算税なので、義務の相手方が労働者ではなく国です(未提出の場合は支給金額の100分の1、期限が過ぎた後3か月以内に提出すれば1,000分の5)。ですから労働者がこの加算税を根拠に発行を強制することはできません。これを知らないまま交渉すると、時間だけが過ぎていきます。
実際に使えるのは、次の三つです。
- 依頼の記録を残す — 電話ではなくショートメッセージやメールで依頼して、日付と内容が残るようにしてください。強制力があるからではなく、後で相談窓口に事情を説明するとき、この記録がそのまま資料になるからです。
- 相談窓口を通して依頼する — 賃金・労働条件の問題とからんでいる場合は、☎1350(雇用労働部、通訳支援)にまず状況を説明し、何から始めるべきかを確認してください。どの窓口に何を聞けばよいか迷うときは外国人のための韓国公式相談窓口まとめをご覧ください。
- 勤労基準法第39条の使用証明書 — 継続して30日以上勤務した人が退職後3年以内に請求すれば、使用者は事実のとおりに記した証明書をただちに交付しなければならず、違反すると500万ウォン以下の過料の対象です(同法施行令第19条、第116条第2項第2号)。ただしこの証明書に載るのは、使用期間・業務の種類・地位と賃金であって、源泉徴収税額ではありません。源泉徴収領収書の代わりにはなりません。
会社が廃業した場合は、時計はむしろ早まります。所得税法第164条第1項により、休業・廃業・解散した会社の支払明細書の提出期限は、その日が属する月の翌々月末日だからです。ただし「期限がそうだ」と「会社が実際に提出した」は別の文章です。提出しないまま店を閉めたのなら、国税庁の資料にもありません。照会できるかどうかは、管轄税務署か☎1588-0560で直接ご確認ください。退職金・国民年金の一時払戻金とからんでいる場合は、国民年金一時払戻金の受け取り方と☎1355(国民年金公団)もあわせてご覧ください。
書類をそろえるには、会社・税務署・出入国・銀行を平日の業務時間に回らなければならず、一日で終わらないことが多いです。その日の移動をあらかじめ決めておくと、負担が少し減ります。LACHA(ラチャ) は本人確認なしですぐ使える外国人向けの交通・決済スーパーアプリで、KTX・高速バス・タクシー・空港鉄道・交通カードをひとつのところで決済できます。ただしラチャは書類の発行とはまったく関係のない民間の交通・決済サービスです。発行と相談は、下の窓口でのみ行われます。
どこに聞けばよいか — 確認先と、確認できなかったこと
| 機関 | 番号 | 何を |
|---|---|---|
| 国税庁の外国人専用の英語相談 | 1588-0560 | 源泉徴収領収書・所得証明に関する英語相談 |
| 国税の一般相談 | 126 | 所得の種類・源泉徴収・民願証明の一般的な問い合わせ |
| 法務部 外国人総合案内センター | 1345 | 滞在・ビザ、資格ごとの提出書類の案内 |
| 雇用労働部 顧客相談センター | 1350 | 賃金・労働条件、退職した会社との問題 |
この情報は2026-08時点の確認であり、番号・運営時間・制度は変わることがあります。
正直に残しておくこともあります。以下は今回の整理で確認できなかったことなので、本文に断定して書いていません。
- ホームタックスで自分の支払明細書の提出内訳・所得金額証明を照会する正確なメニュー経路 — ☎126や☎1588-0560で案内を受けてください。
- 源泉徴収領収書・所得金額証明の英文発給ができるかどうかと、民願証明の手数料。
- 在留資格ごとに、どの場合に源泉徴収領収書を、どの場合に所得金額証明を求めるのか — ☎1345とハイコリアの担当です。
- 国税庁は仁川国際空港の中に納税者サービスセンターを置き、証明書の自動発給機を08:00~22:00運営していると案内していますが、ターミナル・階・窓口の運営時間は確認できませんでした。出国当日に頼らず、前もって処理してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. ホームタックスで源泉徴収領収書を発行してもらえますか? いいえ。源泉徴収領収書の発行義務者は、所得を支払った会社です(所得税法第143条・第144条・第145条・第146条・第156条、2026年基準)。国税庁が発行するのは、所得金額証明のような民願証明と、会社が提出した支払明細書に関する照会です。国税庁は所得金額証明を、ホームタックス・税務署の訪問・無人民願発給機で申請できる即時発給証明14種のひとつとして案内しています。ホームタックスのメニュー経路は今回の整理では確認できませんでしたので、☎126や☎1588-0560で案内を受けてください。
Q2. 会社が「지급명세서(支払明細書)」と書かれた紙をくれました。もう一度もらうべきですか? 勤労所得であれば、もう一度もらう必要はありません。所得税法施行規則第100条第26号は、勤労所得の源泉徴収領収書と勤労所得の支払明細書をどちらも別紙第24号書式と定めており、書式の名称自体が「勤労所得源泉徴収領収書、勤労所得支払明細書(所得者保管用、発行者保管用、発行者報告用)」です。同じ書式を用途別に分けて使うものなので、所得者保管用が自分の受け取る紙です。事業所得・その他所得は別紙第23号書式の系列なので、書式番号が違います(同規則第100条第25号)。
Q3. 会社が出してくれない場合、過料を科すことができますか? そう知られているのとは違い、源泉徴収領収書を所得者に発行しなかったこと自体に対する罰則・過料の規定は所得税法にありません。よく引用される第81条の11の加算税は、会社が国税庁に支払明細書を提出しなかったことに対するものなので、義務の相手方は国であり、労働者がこれを根拠に発行を強制することはできません。ですからショートメッセージやメールで依頼して記録を残し、賃金の問題とからんでいる場合は☎1350で通訳をつないで相談するほうが現実的です。
Q4. 会社が廃業しました。国税庁でもらえばよいのでしょうか? 断定できません。所得税法第164条第1項は、休業・廃業・解散した場合の支払明細書の提出期限を、その日が属する月の翌々月末日と定めているので、期限自体は前倒しになります。ただしそれは会社の義務の期限であって、実際に提出したかどうかは別です。提出しないまま店を閉めたのなら、国税庁の資料にも残りません。ご自身のケースが照会できるかは、管轄税務署か☎1588-0560に直接ご確認ください。
Q5. 退職金や3.3%のフリーランス収入にも源泉徴収領収書は出ますか? はい、ただし書類がそれぞれ違います。退職所得は、支払う者が支給日の属する月の翌月末日までに退職所得の源泉徴収領収書を発行しなければならず、税金を源泉徴収しなかったときはその事由をあわせて記して発行します(所得税法第146条第3項)。事業所得は、所得を支払ったところが事業所得の源泉徴収領収書を発行します(第144条第1項、税率は第129条第1項第3号の100分の3に地方所得税を加えて実務上3.3%)。勤労所得の書式を求めて「そんなものはない」と言われたなら、所得の種類を変えて依頼し直してみてください。
参考: この記事は公開されている法令と国税庁の案内を整理した一般的な情報であり、税務・法律のアドバイスではありません。本文の条文・期限・書式番号は2026-08時点で、国家法令情報センターの所得税法・所得税法施行規則・勤労基準法の条文原文と、国税庁の外国人向け案内ガイドブック・民願証明の案内で確認した内容です。国税庁の案内文書でのみ確認した事項(源泉徴収領収書の証明力、民願証明の種類、空港のサービスセンター)は本文に出典を明記しており、ホームタックスのメニュー経路・英文発給ができるかどうか・手数料・在留資格ごとの必要書類は確認できなかったため書いていません。法令と制度は改正され、電話番号・運営時間も変わることがありますので、動く前に☎1588-0560(国税庁の外国人向け英語相談)、☎126(国税相談)、☎1345(滞在・ビザ)、☎1350(賃金・労働条件)で、ご自身の状況を基準にもう一度ご確認ください。ラチャ(LACHA)は上記の機関とは無関係の民間の交通・決済サービスで、書類の発行や税務申告の代行は行いません。






